rt Theory 一般Updated:2008/08/17)
  • 芸術理論・概論・背景
    • 芸術と社会
    • ★★『ホモセクシャルの世界史』 海野弘、文藝春秋、2005年5月、543ページ: 別の視点からの世界史、と称する海野氏の第三作。フーコーの性の歴史に触発されたそうであるが、この人の文献読破は並みではない。現代を論ずるために、古代から始めてしまう構成は海野氏ならでは であろう。芸術関係ではオックスフォード・ケンブリッジとつながる英国のエリート層、ブルームズベリー・グループ、 コートールド美術館、バレー・rリュスからコクトーにつながる流れ。現代アートとゲイ文化の関係。オータナティブな視点が芸術の視点とつながっているというのはある程度の説得力がある(2005/7/3)
    • 視覚イメージと歴史研究
      • [2008/3/12]Peter Burke(2001)”Eye witnessing: The Use of Images as Historical Evidence”(諸川春樹訳『時代の目撃者:資料としての視覚イメージを利用した歴史研究』中央公論美術出版、2007年:美術研究というより、絵画、映画、写真などを歴史資料として使うこと全般への考査。時代背景、意図、社会感、権力者の恣意構造など、絵画の鑑賞に通じるものが多い。 
    • 絵画の見方
      • [2008/8/17]★★有地京子(2008)『名画の秘めごと:男と女の愛の美術史』角川マガジンズ:25の古典的な名画を、男女の関係をもとに読み説く、イコロジー。いろいろな本をよく読んで、まとめている。
      • (2006/8/25)★★『脳は美をいかに感じるか:ピカソやモネが見た世界』 セミール・ゼキ、河内十郎訳、日本経済新聞社、2002年2月、443頁("Inner Vision: An Exploration of Art and Brain", Semir Zeki, 1999): 視覚矢を中心とする脳科学の権威である著者が、長年の関心での対象である、美術に対し、「美学に対する理論は脳の働きに基づいて初めて明瞭勝つ深淵なものとなり、生物学的基盤に基づかない美学論はどのようなものであれ、完全なものにも深淵なものにもなり得ない、という気持ちをしっかりと伝えたいと思」いかかれた書。特に脳内の視覚野であるV1、V4、V5の働き、形、動き、色などに対する対応と、形、動き、色などに対する画家の挑戦を関連付けようとしている。人の顔が感情・態度など多くの情報を相手に与えることから、脳は顔に対する認知に特別のモジュールを持っている。肖像画に対する一生も興味深い。美術を脳科学から理解しようという著者の試みはこの本の後も直実に進んでいるようである。
      • (2006/4/8)★★★『赤ちゃんはどこまで人間なのか:ここの理解の起源』 ポール・ブルーム、春日井晶子訳、ランダムハウス講談社、2006年、288頁("How the Science for Child Development Explains What Makes Us Human", Paul Bloom, 2004):嫌悪などの感情、想像などの抽象的行為、芸術の理解及び嗜好など人間的行為の本質を、児童の発達心理学の最近の研究を元に総合的に論じる。人間のそのような特徴を進化論的必要性から論じるとともに、児童発展恩観点から、生得的なものと社会的なものが混じっているとも読み解く。多くのテーマについては著者は二元論的側面を見る。芸術についての結論を引用する。 ”芸術の心理についても二つの方法ー一つは物理的、身体的な見方、もう一つは欲望や意図による見方ーに対応する。
        人は芸術を、その知覚できる性質に反応し、文字通りの意味で「見る」ことが出来る。これは物事を解釈する自然で必然的な方法だ。だから、私たちは美しいものの絵を好み、恐ろしい光景が描かれた絵にはいい反応を示さない。この原始的な傾向を克服することは難しいだろう。誰もが死体の絵を好むわけではないのだ。私たちは本能的に、そしてある程度は制御不能なまでに、写実的な絵に描かれた物体や光景に対して実物と同じように反応するのである。
        しかし、芸術を芸術として鑑賞することもできる。そのときは、芸術をパフォーマンスとして見、その経過を、芸術家の意図を含めて再構築しようとする。こうした見方によって、その芸術にどんな名前をつけ、どのように分類するかが決まり、美という観点からどう反応するかもある程度決まる。ときには、その物体を単なる物体として見るという原始的な方法を克服することもある。そうなると、醜いものが描かれた絵も美しく感じられ、暴力的でグロテスクな光景も見て楽しいものになり、想像力を喚起しそうも無い物質が感情的な激しい反応を引き起こすことがある。そして時には、鑑賞する人にも涙を流させもするのである。(125-126頁)”
      • (2006/7/23)★『スクラップ・ギャラリー:切り抜き美術館』 金井美恵子、平凡社、2005年11月、268頁:イコノロジーとは呼び難いが、なんとなく引き込まれてしまう、エッセイ集。切抜き的な絵画となぜか映画評が組合せっている。内外の近代以降の画家たち、本人の好みを前面に押し出しているのに嫌味がない文章である。
      • ★★『絵画を読む:イコノロジー入門』 若桑みどり、NHKbooks 668、1993年3月、189頁:NHK「人間大学」で1992年に放映された「絵画を読む」をまとめたもの。イコノロジー(図像解釈学)とは、絵画を時代の文化の文脈で捉え、想像にかかわる霊感の源、影響、動機とその展開のキーを探し出すこと。 時代精神と個人精神の深層におけるつながりを探索すること。取り上げられた作家は:カラヴァッジオ、ティッチアーノ、ポッティチェッリ、ニコラ・プサン、ミケランジェロ、フラ・アンジェリコ、レンブラント、プロンズィーノ、ジョルジョーネ、デューラー、バルドゥング・グリーン、ブリューゲル。(2006/1/4)
      • ★★『名画を見る眼』 高階秀爾、岩波新書E64、1969年10月、190頁:現大原美術館館長(元東京大学教授、国立西洋美術館館長)、西洋絵画論の第一人者である著者が、15枚の西洋絵画の名画を選び、その絵と画家を紐解く。著者は、絵画は美しいものとして楽しむことが出来るが、その作者の心情と背景を深く理解する努力を通じ、深い発見があることを主張している。(2005/3/6)
      • ★『絵画の見かた』ケネス・クラーク、高階秀爾訳、2003年(原著は1960年 )、白水uブックス1066、,246頁:会が秤量かであり、文明批評家であるケネス・クラークの絵解き16編。高階氏の訳もすばらしい(2005/12/24)。
      • ★『なぜ、これがアートなの?』 アメリア・アレナス、福のり子訳、淡交社、1998年2月、195頁: ベネズエラ出身でNYのMOMAのエデュケーターとして(?)活躍した著者が、現代美術を読み解くヒントを、体系的にわかりやすく、なおかつ深く解説した良書。その後水戸芸術館、豊田市美術館、川村美術館との共同企画という最強の組み合わせでで同名の展示会が行われた。具体的に作品を元に、展開がされており、なおかつ約3分の2の作品が日本の公共美術館蔵というよく考えられた企画。単なる現代アート史に留まらずアートとは何か、という本質的問題に、真っ向から平易に挑んだ快著(2004/5/5)。
    • 個別の分野
      • カラオケ
        • [2008/4/17]Zhon Xun&Francesca Tarocco(2007)”Karaoke: The Global Phenomenon"(松田和也訳『カラオケ化する世界』青土社、2007年):日本初とは言われるもの世界を席巻するカラオケ。そんなカラオケの各国事情を集めた書。日本以上の熱狂ぶりが伺える。
      • 博覧会と都市
        • (2006/8/6)★★『悪魔と博覧会』エリック・ラーソン、野中邦子訳、文藝春秋、2006年4月、509頁(”    The Devil in the White City: Murder, Magic, and Madness at the Fair that Changed America" Erik Larson, 2003 :パリでの万国博覧会の大成功の後本命のニュー・ヨークを破り奇跡的とも言えるスケジュールと狂乱的準備の中、大成功となり、多くの面でその後のシカゴという都市の風景や、米国社会の流れを決めていったシカゴ万博を、建設監督であった建築家のダニエル・H・バーナムと、ちょうどその時期シカゴに流れた来た、稀有な天才的殺人鬼、H・H・ホームズの二人を軸に、展開している。著者が最後に述べているように、「都市の栄誉のために不可能なことをあえて引き受けようとした市民たちの心情は現代人の心理とかけ離れている」。その博覧会がもたらした「最大のインパクトは、都市と建築に対するアメリカ人の意識を変え」、「アメリカ大衆はこれまで夢見ることさえできなかった、社会の美しさと有益性と調和の可能性」に目覚めた。
      • オペラ
        • (2006/9/14)★★『オペラの運命:十九世紀を魅了した「一夜の夢」』 岡田暁生(京都大学人文科学研究所)、中公新書1585、2001年4月、216頁: 王侯貴族の浪費的贅沢としてのオペラの発生、グランド・オペラから、国民オペラ。オペラの歴史をオペラ劇場の場所歴史としてまとめた書。それぞれの時期の背景の感じが新書ながら感じられる。
      • デザイン
        • [2008/3/29]喜多俊之(2007)『ヒット商品を作るデザインの力』:http://mixi.jp/view_diary.pl?id=756982375&owner_id=9617647
      • 写真:
        • [2008/7/20]今橋映子(2008)『フォト・リテラシー:報道写真と読む倫理』を読み上げた。19-20世紀のパリと日本人を含む、外国人芸術家の関係を軸に意欲的に研究している方だ。カルティエ=ブレッソンの例からスタートし、写真家のおかれた環境、その創作活動の意味、作品を読む側の我々の態度の問題を、いつも通りの鋭い文章で読みなおしてくれる。。
        • (2006/1/4)『天才アラーキー:写真ノ方法』 荒木経惟、集英社新書0090F、2001年5月、262頁:アラーキーの写真哲学を語らせてまとめたもの。 この人は対象に近づき共感形成をし写していることが分かる。
    • 放送大学:
      • (2006/8/5)『演劇入門:古典劇と現代劇(’06)』 渡辺保、放送大学教育振興会: もと慶応大学教授で、歌舞伎評論家として有名な渡辺保氏による演劇論。ここで言う古典劇とは、日本の伝統演芸(歌舞伎、能、狂言、文楽)のこと。上演の作法が、伝承されている日本を含むアジアの演劇は、それらが必ずしも伝わっていない、西洋の演劇に比べ、大きな違いがある。そのなかで、人格の捉え方、様式性に違いは、氏に言わせると、近代演劇のリアリズム追及以降行き詰っている演劇の将来に、重要なヒントを与える可能性がある。
      • (2006/1/4)『芸術の理論と歴史(’02)』 青山昌文、放送大学: プラトン、アリストテレスから始まり、ゴシック、ロコココ、反アカデミズムを通し、現代美術までを芸術の理論(ビジュアル芸術)を概説したコース。 著者のプラトン主義が臭うくささは感じるが、総括したまとまった内容。
      • ★★『芸術・文化・社会(’03)』 :音楽部門の文化蝕変の専門家である徳丸吉彦氏と青山昌文氏が芸術と社会・文化の係わりを絵画、音楽、服飾、料理、映画などの広範の対象に対し、総合化することを試みたもの。
      • ★★『現代における伝統演劇(’02)』渡邊守章・渡辺保:能、狂言、歌舞伎、人形浄瑠璃という日本の4大伝統芸能を成り立ち、様式、相互の関連から分析し、現代演劇の閉塞打破への示唆を得ようとする講義。
      • ★★大学院・表象文化研究(’02):芸術、建築、都市、博覧会などをその背後にある意図の表象(Representation)とした総合的な試み。東大駒場の表象文化研究コースが土台になっている。コンテクスト、間テクスト性、装置(例えば美術館)などの概念が導入される。
      • 大学院・芸術政策I(’02)
  • サロンとは
    • サロンとは
    • 欧米のサロン
      • ★★『マラルメと火曜会』柏倉、集英社、年、頁:
      • Moon Light Society
      • Coffee House
      • 中国では同郷会館、同業会館
    • 日本のサロン
      • 渋沢敬三とアチックミューゼアム
      • ★新宿中村屋 :『新宿中村屋:相馬黒光』宇佐美承、集英社、1997年、447頁:仙台藩の下級藩士の娘として生まれ、東京にて新しい教育を受け、夫とともに新宿中村屋を起こした相馬黒光の生涯を丹念に描いた労作。結果として芸術かも含めた人々が彼女の周りに集ったが、それを暇な金持ち婦人がそれだけを目的として場を作っていたサロンと 並べて呼ぶのは違うかもしれない(2003/5/24)。
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