現代美術 Updated:2007/03/27)
  • 西洋芸術に関する参考書
    • ★★★『西洋画人列伝』 中沢ヒデキ、NTT出版2001年4月、295ページ: 千葉大医学部出身の変り種美術家中沢ヒデキの西洋画人の列伝。7つの区分ごとに大胆な絵画理論を展開し、なんと画家を一人称で語ってしまうという展開。単なる客観的な、学術的紹介ではなく、美術かとして悩んでいる著者自身が自己を投影していくという展開。2004年春の現代美術館のアニュアルに付随して、この現代美術版が出るとか。楽しみである。(2004/1/30)
    • ★『ロシア・アヴァンギャルド』亀山郁夫、岩波新書、1996年6月、246ページ:: 20世紀初頭の約40年間のロシア・ソヴィエトのいわゆるアヴァン・ギャルドといわれる芸術事情を俯瞰している。アヴァン・ギャルドとは軍事用語で「主力軍への敵の急襲を封じるために前線に送られる軍事力」という意味から転じ、社会的グループなどの先進的、指導的部分を意味するようになった。ロシア・アヴァンギャルドは革命以前から、時代の変革への鬱積した期待感に、スラヴ神秘主義的背景が加味された、強烈なエネルギーの蓄積がなされていた。それがロシア革命で開放され、その後権力との(一時的ではあるが)利害の一致から強い政治的力を持ち、理論的必然とするマルクス主義的な進歩的歴史観と、折からの相対理論、航空機、ロケットの発明に象徴される人類の発展に対する強烈なイメージにより、極度に抽象的、思想的芸術へと昇華していった。マレーヴィッチ、フィローノフ、シャガール、カンディンスキーなどの美術、ストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチの音楽、エイゼンシテインの映画。この極端な高揚が、過度に教条主義的な派閥間の抗争、スターリンによる粛清という極端な抑圧・迎合へと、人類史上まれな振幅を見せる。著者の亀山氏はロシア文化の専門家としペレストロイカ以前から積極的な現地訪問をしている。(2003/4/8)。
    • ★『パリ1920年代:シュルレアリスムからアール・デコまで』渡辺淳、、丸善ライブラリー、1997年5月、224ページ:アヴァンギャルドがロシアで盛んな同じ頃パリではその後の20世紀の芸術を規定する種種の流れが表れていた。人間と人間の交流が刺激を生み創造的行為の結果として芸術が生まれるなら、20年代のパリは両世界大戦の間の不思議な時間として、歴史的な密度で創造力が花咲いていた。すばらしい力作だが、著者の文章は一つ一つが長すぎ、主語などの基本的構成要素が非常に掴みにくい。丸善社の担当編集者は日本語をもっと勉強すべきだ。(2003/4/10)。
  • その他
    • 放送大学の『芸術の理論と歴史('02)』12から15章も参考。
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