東京東京周辺その他関東(含む静岡・長野)その他の地域

日本の美術館の紹介:
『藤森照信の特選美術館三昧』藤森照信、TOTO出版、307ページ、2004年:建築探偵の藤森照信氏が選んだ、建築の面からの面白美術館27件の紹介。日本はスケールの小さい美術館の乱立という批判もあるが、氏にいわせれば文化の大衆化によるマイ美術館と考えれ ばよいとのことである。さすがのポジティブな見方である(2004/9/26)。 なお、ページ中この本で取り上げられている美術館はFで示した
山を歩いて美術館へ:この人はたぶん建築家。山、美術、建築、そしてたぶん人の歴史に強い興味を持つ人のサイト。
東京都
国公立

  • 国立新美術館:2007年一月、六本木防衛庁後にオープン。黒川紀章による豪華建築と所蔵品を持たない運営形式に注目。
  • ★★★東京国立博物館:いわゆる帝立博物館。 『東博』と呼びましょう。日本文化の威容と優秀さを示そうというのが設立意図。日本美術では日本でダントツの収集を持つ。姉妹組織が京都奈良と福岡(大宰府)にあり、この 四つを合わせて、独立行政法人国立博物館法律的根拠)となっている。東博本館は2004年9月にリニューアル・オープンし、日本美術の流れがよりわかりやすい展示となった。 伝統の形を組積造で作るという形と技術の和洋折衷の建物は、渡辺仁の設計(昭和12年)。明治期の内務・農商務・宮内・文部各省の混合コレクションがベース。(★★『博物館の誕生:町田久成と東京帝室博物館』岩波新書953、2005年6月、241頁:明治維新の推進役であった薩摩藩のいわゆる江戸家老格にあり、後、博覧会から、集古館、博物館とつながり、現在の東博として具体化する流れを実現させた人物。大英博物館をイメージし、幾多の政治的、藩閥的抵抗を乗り越え、最後には自由民権運動による議会設置に より皇室財産の増加を図る流れを作り、”帝室”として開館にいたった。なお町田久成は第二期薩摩英国留学生(一期はいわゆる密航留学生)としてロンドン大学UCL校で学んでいる(2005/8/17)。)
  • ★★★国立近代美術館:近代美術の展示を目的とし、1952年、中央区京橋の旧日活本社ビルに設立。その後ブリジストン・オーナーである石橋正二氏の寄付により、1969年6月に現在の場所に開館。
  • ★★★東京都現代美術館:木場に作られた現代美術館。 近代的な設備と積極的な企画で充実。特に企画展は二本並列で行われることが多く能率がよい。建設費は約415億円(同美術館より、一説には440億円)、美術品購入基金は75億円であった。設立の経緯など。前身は東京府美術館との現代美術館側の主張には同調できない。
  • 東京都庭園美術館:アール・デコ調の旧朝香宮あさかのみや]
    邸(朝香宮殿下は久邇宮[くにのみや]
    久邇宮家第8王子、妃殿下は明治天皇第8皇女)として1933年(昭和8年) に建てられた建物を、そのまま美術館として公開したもの。
  • F国立西洋美術館:戦後、フランスからの松方コレクションの返還条件であった美術館の建設にあわせて建設された、日本で最初の西洋美術専門公立美術館。 松方コレクションを日本に返還するに当たりフランス政府の条件が、近代美術館の開設であり、その経緯から、ランス人建築家ル・コルビュジェの日本におけるフ唯一の作品となっている。 こちらは独立行政法人国立美術館になっている(w/西洋美術館、国立近代美術館、(大阪)国立国際美術館が含まれる)。この独立行政法人の一部として、六本木の防衛庁跡地に、国立新美術館が建設される。 この開発においては、サントリー美術館の移設も計画されている。
  • ★★東京藝術大学美術館:1998に芸術資料館から大学美術館に改組。 明治期の文部省コレクションがベースとなっている。
  • 東京都美術館:前身である大正15(1926)年に開館したの東京府美術館は学芸員もいない、コレクションもない「貸し展示場」 だったが、日本ではじめての『美術館』を名乗る施設であった。北九州出身の石炭王、佐藤慶太郎氏「東京のような大都市に美術館がないのは問題だ」という新聞記事を読み、東京府に百万円(現在の20数億円相当)を寄付。これがもとになって美術館が建設。戦前、最も権威のある展覧会であった「文展」や、戦後、前衛美術家が集合した「読売アンデパンダン展」が開かれた。昭和50(1975)年、老朽化に伴い現在の建物に建て替えらたが、いまも朝倉文夫の手になる佐藤氏のブロンズ胸像が地下1階講堂前に展示されている。
  • 上野の森美術館
  • 三の丸尚蔵館:宮内庁管理。皇室所蔵品・資料の展示と閲覧。 殖産産業の支援の立場から、日本美術協会、明治美術会、内国勧業博覧会から積極的に買い上げた、旧宮内省コレクションが中心。
  • 世田谷美術館:設立の経緯?
  • 三鷹市美術ギャラリー: 駅前のビルの5階というユニークな立地。小さいなりにがんばっている。
  • ★★府中市美術館:市民参加型を狙っている美術館。現在(2004年)の館長本江氏は、東大で大原美術館の高階館長に師事し、その後近代美術館へ。数々の企画を行った後、多摩美の教授になり、府中市美術館の館長も兼任。平面にこだわる氏は若手の作家の収集も積極的に加えている。美術館の特徴は市民への啓蒙を意図して充実した教育企画、資料室にある。本江氏の審美眼で 価格は高くはないが、積極的によい作品を収集し続けている。絵の説明にしっかりと素材が表記されているのは教育的見地であろうか?
  • F渋谷区立松涛美術館
  • 板橋区立美術館
  • 練馬区立美術館
  • 目黒区立美術館:こじんまりしているが気持ちのいい空間。周辺の主婦によるボランティアも熱心だ。
企業および財界人等の収集によるもの
戦前
  • 戦前財界人と絵の関係:『三十六歌仙絵巻の流転:幻の秘宝と財界の巨人たち』に詳しい。
  • 根津美術館:東武鉄道を中心とする東部グループの祖、根津嘉一郎による。日本美術と中国関連の収集品。中国では殷・商・周のものが充実。根津嘉一郎は青山という茶号を持 ひ、多くの茶会を催した 。併設されている庭はすばらしい。「国宝那智瀧図(伝巨勢金岡)」:大正6年、赤星弥之助の収集品から8万5千6百円で購入。赤星は明治前期に大砲製造の特許で成功し、軍需成金として精力的に美術収集を行った。当時嘉一郎は57歳。帝国石油、東武鉄道、館林製粉、などの企業を経営していた(瀬木、1998)
  • ★★出光美術館:出光興産の創業者、出光佐三の収集品をもとに1966年に開設。福岡宗像市出身の出光佐三は福岡商業学校在籍のとき、父親に連れられていった骨董市で見た仙崖和尚の画に生きる喜びとして の美術品を見 た。ここに彼の美術愛好への原点がある。板谷波山の陶磁器、ジョルジュ・ルオー、サム・フランシスの収集でも知られる。最近でも潤沢な資金(その理由は?)をもとに、積極的に逸品を追加している。 出光佐三の人となりを伝えるエピソードとしては、1953年、イラン国内で起こった石油利権の国有化の運動に対し、強調を求める英国政府の要請を無視し、所有のタンカー日章丸を差し向けた 。これはコレクターとしてのこの人物の考え方を理解する一助となろう。
  • 出光石油のサラリーマンからこの美術館に出向(?)した中尾氏の贅沢な欧米美術館訪問研修も面白い。
  • 大倉集古館:大倉財閥の創始者・大倉喜八郎が造った美術館。喜八郎は現在のこの場所、今のホテルオークラ本館の敷地までをも含む自身の邸宅内に陳列館を設け、希望者には観覧させていた。大正6年に財団法人となり、日本で初の私立美術館の誕生となった。大倉喜八郎の感覚が偲ばれる。資金難からか、最近の追加は少ないように思える。
  • ★★泉屋博古館分館:住友家の収集品を保存・展示するために京都鹿ケ谷に1960年に設立された泉屋博古館の分館。中国の青銅器の収集が有名で、その他日本・中国の書画、茶道具でも質の高いものが多い。泉屋は住友の江戸時代の屋号。森ビルの泉ガーデンタワーを中心に再開発された六本木1丁目地区の施設のひとつとしての位置づけ。料金もお得(大人500円、学生300円)
  • 三井記念美術館:三井家の収集品を展示するため、2005年10月に三井家ゆかりの中央区日本橋室町に開館した。日本に二つしかない国宝指定の茶碗の一つ、丸山応挙の唯一の国宝など、三井家が金に任せて収集した品が、良好な保存状態で展示されている。能面の収集もすばらしい。
  • 松岡美術館:東京築地で明治27年(1894)生まれ の実業家松岡清次郎の戦後の収集物。書画・青銅器、インド・ガンダーラ仏像から、晩年はエコールド・パリ画家たちを中心とする西洋絵画に及んだ。白金の建物と庭は気持ちがいい。20世紀前半のフランス画家の収集に 到達ときはすでに高齢で有名どころを集めたが、審美眼は息切れしていたよう。
  • 五島美術館:東急の始祖。五島慶太の収集品。 収蔵品の源氏物語絵巻は徳川美術館収蔵と並んで有名。
  • 静嘉堂文庫:岩崎彌之助(1851~1908 三菱第二代社長)と小彌太(1879~1945 三菱第四代社長)の父子二代によって設立され、国宝7点、重要文化財82点を含む凡そ20万冊の古典籍と5,000点の東洋古美術品を収蔵(夏季期間は休館)
  • 山種美術館:実業家の山崎種二のコレクションを元に設立。種二は群馬県吉井町出身。問う居に出てきて財をなした後、最初に買った酒井抱一の絵が贋物。「作家と直接会い、人柄を見て買う」と考えを整理する。川合玉堂(月一、奥多摩のアトリエを訪問し、生活を援助)、横山大観(戦争で家が燃え、昭和29年に再建するまで財産を管理)を始め、小林古径、奥村土牛、、上村松園など、多くの画家と親交を持った。
  • F日本民藝館:柳宗悦が日本の民芸的伝統を伝えるために設立した私設美術館。古い民家を移築した建物は趣がある。向かいの家屋は柳の私邸であった。
  • 『バーナードリーチ:日本絵日記』バーナード・リーチ、柳宗悦訳、水尾比呂志補訳、講談社学術文庫1569、2002年10月;昭和29年、19年ぶりに訪れた陶芸家のバーナード・リーチが日本各地の名所や窯場をめぐり書いた絵日記。柳をはじめとする工芸家との親交が綴られる。リーチが好きだった、美しい日本が簡単に捨てられて行くことに対する怒りが節々に出てくる(2005/9/3)。
  • 東京美術倶楽部:明治40年設立。美術商たちの倶楽部で競売や会合後行われてきた。日本を代表する美術品の取引が行われた?所でもある。
戦後の収集
  • ★★森美術館:森ビルの究極プロジェクト、六本木ヒルズの最上階に2003年10月18日出現た前代未聞の美術館。ディレクターもこれまた日本史上初めての外国人のDavid Elliott。世界中の注目が集まる。現在基本的にはコレクションは無い。
  • 損保ジャパン東郷青児美術館:旧安田火災のコレクションを発端に解説。バブル時の日本人最高落札額記録を誇る、ゴッホのひまわりも所蔵する。 絵に購入値段をつけると、とても面白いと思うのに。
  • 原美術館およびFハラ・ミュージアム・アーク: 原家四代目当主で日本土地山林(株)社長であるある原俊夫氏が創設。原家の一代目の原六郎(1842-1933)は幕末から大正時代にかけて活躍した実業家。エール大学およびロンドンのキングス・カレッジで学んでいる。東京邸を現代美術の美術館にした品川の原美術館、伊香保の牧場テーマ・パークの一角に虹にかけるというアイディアからアークと言う名前をつけられ、1998年に設立されたハラアーク。対象は、現代の現代美術といえようか。
  • サントリー美術館: 会社が直接行っている事業。文化事業部が管掌し、スタッフも基本的には社員。収集品は1961年(?)開設後から集めた物。 六本木防衛庁跡地に建設中の国立清美術館プロジェクトに移設される。
  • 松下電工のNAISミュージアムサントリー同様、会社の一部門として運営。2002年暮れにオープンした。元会長の三好さんが愛したルオーの作品が中心。ルオーが詩人たちと作った大型絵本ともいえる書籍の収集もある。
  • ブリジストン美術館: なお本美術館はブリジストンの創設者である石橋正二郎氏の収集品を下に1956年に設立された石橋財団の一部。石橋財団はブリジストン発祥の地である久留米にも石橋美術館を持つ。石橋財団は財務内容をホームページで発表している数少ない美術系財団であり、総財産は167億円である(内美術品が56%)
  • BUNKAMURA ザ・ミュージアム
  • 菊池寛実記念智美術館
  • オペラシティ・アートギャラリー
  • NTTインターコミュニケーション・センター:NTTの現在のビジネスとは何の関係も無いこの美術館。常に存続の危機にさらされている。
  • 東京富士美術館:1983年、創価学会の池田大作によって創立された。金に飽かして、広範囲な収集品を持っている。
  • 佐藤美術館:美術館の運営、美術を専攻する国内外の学生への奨学援助、美術を通じた国際交流による相互理解の促進に貢献することを目的とし1990年3月に設立された佐藤国際文化育英財団が運営。
東京周辺
神奈川県
  • F神奈川県立美術館: 昭和26年に設立された日本で最初の近代美術館。 八幡宮の横手にある坂倉準三設計の本館とその少し先の別館に加え(☆)葉山館もオープンした。 相模湾に面し、素晴らしい立地の葉山館はPFI方式だった。葉山館の新築工事とその後の美術館維持管理業務(設備の保守管理、来館者の受付、警備、清掃など)については、PFI事業として、本事業の特定目的会社である(株)モマ神奈川パートナーズ実施PFI方式の美術館への適用では日本で最初であった、
    で立てられた。
  • 川崎市民ミュージアム:美術館を超えたミュージアム本来の意味を意識する施設の中で、あえてミュージアムとなずけられている。ポスター、写真、漫画など領域拡大も図っている。残念ながら経営状態はかなり苦しいようで、閉鎖も検討されている?
  • 横浜美術館:MM21地区にたてられた。立派な建物は気持ちがよいが引き換えに多大の運営費を必要としている。 一方他の館にないプログラムも見られる企画力はよいレベルであるが、市からの出向職員を筆頭にする、対応のセンスの悪さにはいつもあきれる。2004年夏、キュレーター天野太郎氏の企画『ノンセクト・ラディカル:現代の写真III』の一作品、高峰格のビデオ・アート作品が、わいせつ性が高いとして、最終的に館長判断で公開が自主規制される事件があった。当初は年齢制限を設け公開される方向で進んでいたが、結果非公開となった。1999年の横浜トリエンナーレで都築響一氏の「秘宝館」展示に、 神経を尖らせた横浜市の役人的センスによる圧力がしのばれる。
  • F★★ポーラ美術館:ポーラ化粧品のオーナーであった鈴木常司(1930-2000)が40年余をかけて収集した美術作品を中心に2002年9月に開館。好みのベルエポックを中心とした分かりやすい収集品を展示。日動画廊が収集を手伝っている。箱根に立地。 オーディオ・フォンも作品のみではなく、作者の説明があるなど、細かい工夫が。箱根の山を借景にしたレストランは気持ちがいい。
  • 彫刻の森美術館:フジサンケイグループの所蔵彫刻品を展示。ピカソ館と称するピカソ晩年の 陶器類の収集もある。
  • 箱根ガラスの森:ヴェネチアン・ガラスと現代ガラス芸術の収集。八王子に本社を持つ実業家のコレクションを基にしている。
  • 箱根ラリック美術館:ガラス工芸家、ルネ・ラリックの作品を集め、2005年にオープンした。
  • 箱根サン=テグジュペリ星の王子様美術館:星の王子様に関する公式ページも持つ
  • ヴァンジ彫刻庭園美術館:三島周辺の長泉町
  • F真鶴町立中川一政美術館:  真鶴町に長く住んでいた中川一政の美術館。設計は柳澤孝彦。茶室から見える緑がすばらしい。
千葉県
  • 千葉市立美術館: なんと市庁舎の中にある。浮世絵のコレクションは充実しているらしい。
  • ★★川村記念美術館 大日本インキ化学工業株式会社がその関連グループ会社とともに収集してきた美術品を公開するため、1990年5月に千葉県佐倉市の総合研究所敷地内に開館した私立美術館。マレーヴィッチ やカデンスキーなどの現代美術の嚆矢も含む。総合研究所と美術館の間には池と公園風の庭があり四季折々の花が美しい。研究員たちの創造性をはぐぐむという構想だそうだ。研究所側には普段は一般公開されないヘンリー・ムーアの彫刻が庭にマッチしている。
  • 松戸市立博物館: 広大な公園の中にある。美術館となる準備プロジェクトが進んでいる。駐車場が遠いのは何とかしてほしい。
その他の関東
栃木県
  • 宇都宮美術館:宇都宮市の新興高級住宅街に隣接した公園内に立地する。コレクションとしては美術教育的な展示、宇都宮にゆかりの絵画、そしてデザイン・ミュージアムとしての性格を軸としている。デザインの面は、日本でもユニークな位置づけとなる。
  • 栃木県立美術館: 道路から奥まったところにあり案内も無いので見つけにくい。一見外観は古いが中の雰囲気はなかなか。学芸員の杉村浩哉氏はターナーとコンスターブルの専門家だが、それぞれ一枚しかないという現状は何かをものがったっている。
  • F馬頭町立広重美術館:茨城県ののどかな田園都市馬頭町にある浮世絵専門美術館。栃木県出身の青木藤作氏のコレクションを元に発足した。隈研吾設計の平屋の建物は、 時として照明が暗く展示空間が閉鎖的印象を与える浮世絵と対比するように、日差しをふんだんに取り入れた開放的雰囲気。やや遠いが、広重をまとめてみるには最適。 すばらしい美術館であるが、惜しむらくは、町には他に見るものがほとんどない。
  • 栗田美術館: 伊万里焼のコレクションでは、多分世界一。広大な敷地にこれでもかと建物が続く。創設者の栗田氏は株で設けてコレクションをしたらしい。 サッチャー元英国首相も訪れて感心したとか。
  • 日光東照宮:
  • 小杉放庵記念日光美術館 :栃木県出身の小杉放庵の作品を軸とした美術館。
  • 日光東照宮美術館 :美術館の建物は、以前は東照宮の社務所だったところで、昭和初期の美術的建造物としても有名。平成7年旧社務所と朝陽閣を美術館としてオープン。館内には旧社務所の杉戸、襖、壁などの絵画は日本画界を代表する横山大観をはじめ中村岳陵、荒井寛方、堅山南風 の国宝的逸品である。特に横山大観の『朝陽之図』や岳陵、寛方、南風の三画伯が70日間泊まり込みで完成させた51点もの障壁画がある。
  • 滝尾神社:東照宮交流以前の日光の修験道の中心地。現在では観光ルートから外れているが、行者のみち弘法のみち沿いに、ひっそりとしたたたずまいを見せる。
茨城県
  • ★★★水戸芸術館: 水戸市中心に立地。タワーが象徴的。PA(パフォーマンス・アート)施設を併設する複合的つくり。美術用のスペースはやや手狭か。クンストハレ(Kunsthalle)形式と言う、常設の展示品を持たない企画展示を行うコンセプトで運営されている、数少ない美術館。 運営のコンセプトの芯がしっかりとしているのは芸術監督の逢坂恵理子のしっかりしたポリシーと運営手法の賜物か?水戸という地域で革新的な現代美術展示を展開している。
  • ★★茨城県天心記念五浦(いづら)美術館:東京藝術大学を政争により追われた岡倉天心は、横山大観ら4人の弟子と明治39年に日本美術院第一部(絵画)を移転した。絵画活動、つりなどを通じた自然への親しみの日々であったが、まもなく財政的には破綻した。実際に天心ら住んだ地域は、現在茨城大学五浦美術文化研究所となり、天心の住居の一部、六角堂、アジアの碑などを見ることも出来る。
  • 日動笠間美術館日動画廊が所有する美術館。笠間にあるのは創業者の出身との関係か?フランスのベル・エポックや、米国のポップ・アートなど分かりやすい絵が中心。竹林を 配した庭はなかなかの気持ちよさ。作家のパレット・コレクションはユニーク。
群馬県
  • 群馬県立近代美術館(高崎):磯崎新設計の建物は巨大であるが、床のタイルが変形しだすなど老朽化が目立ち、また歩きにくく身障者に厳しい。群馬県ゆかりの洋画家は充実しているもの、限られた予算であれもこれもと足された洋画、現代美術はめちゃくちゃな導線とあいまって??感を与える。
  • F群馬県立館林美術館:群馬県立とコーディネートする形で2001年に設立。立地的にはより自然景観の中に作られている。展示作品については群馬県立の所蔵品も利用されている。
  • ★★★大川美術館(桐生市):桐生市出身で三井物産勤務、その後ダイエー 副社長も勤めた大川氏の個人コレクションを元に地元の支援の下に創設された芯のある美術館。松本竣介・野田英夫を中心に、彼らへの関係を軸に明治以降から現代までの日本の洋画に若干の西洋画を加えている。個人、法人の会員の寄付金から購入を続けている。一般 来訪者にも館内での写真撮影を許可してくれる。
  • セゾン現代美術館:軽井沢の別荘地にある、素敵な現代美術館。しゃれた建物は、ホワイト・キューブ風の展示空間。シーガル、キーファー、アバカノヴィッチ、クリストなど現代美術の大御所を一同に見ることが出来る。現代美術を勉強するのに最適。
  • 軽井沢メルシャン美術館:ルーヴル学院卒、ポンピドー・センター研修生として同センターの立ち上げに深くかかわった現武蔵野美術大学の岡部あおみ氏を人材の核として立ち上がった。年2回、真剣勝負の企画を打っている。フランス国立美術館連合(RMN)、フジテレビなどと提携しているようだ。
埼玉県
  • 埼玉県立近代美術館: 北浦和公園に1982年に開館した。所蔵品は月並み。公園は気持ちがよいが、駐車場はないので車で行くと苦労する。
静岡県
  • MOA美術館:MOAは岡田茂吉の名にちなむ。芸大出身の宗教家、岡田のコンセプトの軸は、美術、浄霊、精神世界と物質的世界が一体化した宇宙的・霊的感覚、自然農法にあるよう。あたかもプラトン的感覚から美術を捉えるのは、日本においてはユニークな視点ともいえよう。 初島、大島を望む、相模湾のすばらしい景観が楽しめる。尾形光琳の国宝紅白梅林図は毎年2月に公開。敷地に内に光琳の家が再現移築されている。
  • 池田20世紀美術館: アスファルト乳剤などを製造・販売するニチレキ(株)の創立者池田英一氏が1975年に伊東市に設立したわが国で初めての現代(20世紀美術)専門の美術館。池田英一氏は小学校卒業後苦労して事業を立ち上げ成功させる傍ら、精力的に20世紀美術を収集した。それぞれの作家ごとの点数は少ないが、非常にレベルの高い作品が粒ぞろいで、池田氏のセンスを感じさせる。現代美術を展示できる場所が少ない頃から、国内作家の展示会を開き、それに伴い、それら作家から記念品的に作品を購入し続けているのも、ユニークな特徴。館作成の20世紀美術年表図は購入の価値がある。
  • F伊豆の長八美術館
  • F天竜市立秋野不矩美術館:インドに主な題材を求めた天竜出身の秋野不矩女史の作品を展示。藤森照信が設計にかかわっている。靴を脱いで見るユニークなコンセプト。
  • 資生堂企業資料館・資生堂アートハウス: 掛川工場に隣接し資生堂の宣伝の歴史が一目で分かる。
  • 静岡県立美術館: 久能山の北麓の公園内に位置する。大きな美術館である。ロダンの彫刻に力を入れている。日本で最も先に、評価制度を試験的に導入した。
長野県
  • 清里フォト・アート・ミュージアム:世界的写真家である細江英公を軸に出来たわが国最初の写真芸術専門美術館。建物は昭和に出来た宗教法人真如会の保養所としての宿泊施設に併設された形で出来ている。
  • 北斎館:長野県布施町は葛飾北斎が地元の豪商・高井鴻山に招かれ、晩年の数年を過ごしたところ。北斎が京都風の山車の天井に書いた屋台天井画などのほか、 何点かすばらしい肉筆画もある。またその周辺では高井鴻山の屋敷を公開している高井鴻山記念館がある。一人の画家を軸にコンセプトとして成功している例。『八の字に踏ん張り強し夏の富士』と一句詠んで80数歳の北斎は220km離れた小布施に旅たった。
  • F碌山美術館:穂高出身の彫刻家荻原碌山の作品を展示。境界をかたどったユニークな展示空間は、わずか一部屋。世界で一番小さい美術館であろう。隣接する中学校の入り口にも、碌山の作品が。最盛時には20万人の来訪者が会ったが、現在では年間8万人ほどである。 荻原碌山は同郷の新宿中村屋の相馬黒光を慕っており、黒光をモチーフとした作品もある。
  • F安曇野ちひろ美術館: 挿絵画家の岩崎ちひろを記念し設立。この地はちひろの両親が戦後、開拓農家として移住した地。そこに平屋の木をふんだんに使った温かみのある建物である。千尋の作品と生き様がわかりやすく展示され、また子供も楽しめる構成に、休日 ともなると多くの人が訪れている。グッズも豊富に作成されており、ある意味では、ちいさなディズニー・ランドともいえるコンセプトの勝利であろう。東京のちひろのスタジオも東京館として運営されている。
その他の地域
北海道
  • Fアルテピアッツァ美唄
  • Fモエレ沼公園:イサム・ノグチの庭園ものの最後の作。国際都市札幌の新名所を作るべき建設された。イサムに提示された三つの候補地のひとつで、豊平川が蛇行して残った三日月湖。当時は不燃ごみと焼却残滓を主とする廃棄物最終処理場であった。イサムは長年構想が実現されなかった「遊び山」を中心に、晩年のエネルギーを 投じ、マスター・プランを作成し、2004年の最終完成のはるか前、1988年に生涯を閉じた。
東北:
青森県
  • 青森県立美術館:2006年7月開館。日本最大の縄文遺跡、三内丸山遺跡の中に、忽然と出現。天井も高く、大きい。これは維持費が大変?開館時に、シャガールがニューヨーク・バレー団の『アレコ』の為に描いた舞台背景を購入。
秋田県
  • 平野政吉美術館:秋田市内の千秋公園内にあり、フジタの収集で群を抜き、101点の収蔵を誇るとともに、今世紀世界最大といわれる壁画「秋田の行事」がその目玉となっている。”江戸時代から続く秋田の大地主平野家の3代目跡取りで、政吉は米穀商で財を成した。青年時代画家を志したが挫折、その後19歳で本物の飛行機を見て飛行士になる決意を するも、29歳のとき自らが操縦する飛行機が東京湾に墜落し九死に一生を得る。美術品の蒐集に熱意を注ぎ始めた政吉は、倉敷の大原コレクションに鬱勃たる闘志を燃やし、また、「自分が死んだ後にも侃々諤々言われる人間でありたい」「紳士になりたい」という信念のもと、日本一の美術館づくりに生涯をかけた。 ”
  • ★★『藤田嗣治:パリからの恋文』湯原かの子、新潮社、2006年3月、315ページ:2006年春、注目を浴びて国立東京近代美術館で開催されたフジタ展に合わせて出版された。画家の生涯をかなり客観的に豊富な資料を基に描いている。特に最初の妻かの子への藤田からの手紙を新たな一次資料として、渡仏後、パリでの活動に入り名声を得て行く過程を、フジタの内面の分析を加え掘り下げている。フジタという人間の生き様、時代との関係が立体的に描かれている。平野政吉とのエピソードも興味深い。なお、この本では平野が東京高等師範の付属(元筑波大学付属)から藝大に進学しており、パリ滞在中に、そこでの同窓会(パリ付属会)に出席したエピソードも語られている(2006/5/22)。
宮城県
福島県
東海地方:
愛知県
  • 豊田市立:
  • 徳川美術館尾張徳川家の歴代相伝の重宝、いわゆる「大名道具」を収めている。尾張徳川家の菩提寺参詣により、取得 され、その後繁栄した地域に当時の所有者徳川義親侯爵の寄附によって昭和6年に創立された。財団法人徳川黎明会が運営している私立の美術館。昭和10年(1935)開館。東京には同じく尾張徳川家の記録や文書類を収めている姉妹機関徳川林政史研究所が併設されている 。尾張徳川家は総石高61万9500石を領し親藩筆頭であった。しかもその後、徳川宗家(将軍家)や紀州徳川家、一橋徳川家、蜂須賀家などの大大名の売立重宝の一部も購入し、岡谷家をはじめいくつかの篤志家の寄贈品をも収めてさらに充実し、戦中戦後の災難混乱を免れて現在に至っ ている。収蔵品は徳川家康の遺品を中心に、初代義直(家康第九子)以下代々の遺愛品や、その家族が実際に使用した物ばかり一万数千件におよびます。世界的にも有名な「源氏物語絵巻」をはじめ国宝9件、重要文化財52件、重要美術品45件を含む。「大名道具とは何か?」「近世大名とは何か?」という問いに答えられることのできる我が国唯一の美術館。
  • 名古屋ボストン美術館:金山駅横のホテルコンプレックスに位置する名古屋市立の美術館。収蔵品をもたず、提携しているボストン美術館の作品を企画的に展示するというユニークなコンセプト。当初の契約金の高さ、運営経費の負担に耐えられず、2年後(?)に閉鎖されると聞く。
  • 愛知県美術館:いわゆるポンビドー方式の総合型の愛知県芸術文化センターの一部をなす。
  • 産業技術記念館:
三重県
近畿地方:
滋賀県
奈良県
  • F大和文華館:当時の近鉄社長で美術館構想の発案者、種田虎雄氏が友人の矢代幸雄氏〔後に初代館長〕を起用して昭和21年発足。 設計は吉田五十八。
京都府
  • 京都市美術館
大阪府
兵庫県
  • 神戸市立博物館:南蛮画 収蔵は充実 。港神戸の歴史をコンパクトに伝えてくれる。入場料200円の安さはどういう考えなのか?
  • 兵庫県立美術館:20世紀美術 は総花的収集ではかなり手薄だが、金山平三や小磯良平など、兵庫ゆかりの作家の収集などはコンセプトが明確。神戸地震後の復興にあわせて建設された一群の建物とともに、海に近い良好な立地もあるが、飲食も含め施設全体で意欲的な運営をという館長の意図もあり、年間100万人を越える入場者があると言う。
北陸:
石川県
  • 金沢21世紀美術館:2004年10月9日にオープン。 斬新な建築は話題を呼んだ。元水戸芸術館の長谷川女史(京大法学部出身)の超人的なエネルギーが生み出したもの。 内部と外部が複雑に入り組んだ構造は、展示企画をやる人の苦労が予想されるものの、一見の価値あり。金沢市を初めとする地元の行政には、美術館で経済活性化という非現実的な甘い期待がるのは気になる。
  • F石川県能登島ガラス美術館:能登湾に浮かぶ能登島にある、ガラス工芸に力輪入れる、石川県立のガラスに特化した美術館。不思議な雰囲気のこの美術館には、海が荒れる冬場の消し息の中で見るのがお勧めか。
富山県
  • 富山県立近代美術館:北陸三県に あっては企業が多く、経済の中心的な富山県。コレクションは意外に充実。常設展は200円の安さ。意外なお勧め。
新潟県
  • F谷村美術館:糸魚川の地元の実業家(建設会社など)、谷村繁雄氏創設。建築家村野藤吾の最後の作。 なぜかシルク・ロードの砂漠をイメージした建築。藤森照信氏に言わせると「あの世美術館」とのこと。
中国・四国地方:
岡山県
  • 岡山県立美術館
  • F大原美術館: 倉敷出身の実業家(倉敷紡績などを創業)大原孫三郎が1930年、前年死去した親友の画家児島虎次郎を記念して設立した日本で最初の西洋美術を集めた私立美術館。設立当初の収集には虎次郎の審美眼が反映している。 現オーナーの大原謙一郎氏は地方への富の再配分論者である。
  • 田中(でんちゅう)美術館;平櫛田中の出身地井原市にある記念美術館。田中は明治5年この地に生まれた。
  • 藤田美術館:明治初年から大正年間にかけて、大阪の旧男爵・藤田傳三郎と、嫡子平太郎、次男徳次郎の二代三人によって収集された東洋古美術品を中心としたコレクションを公開する目的で、昭和26年(1951)3月に設立、同29年(1954)5月に開館。ちなみにこの藤田さんは、長州系で、今は椿山荘となっている、目白の山形邸を譲り受け、そのご売却し現在に至っているとのこと。
香川県
  • F★★★直島コンテンポラリー・アート・ミュージアム:ベネッセの所有。安藤忠雄設計で、ホテルなどの施設を持つ。 ベネッセのオーナーである福武家は国吉康雄などの充実したコレクションを持っている。
  • 讃岐醤油画資料館:小沢剛の一見おふざけプロジェクト。明治学院大学の山下祐二の評もある。
  • F丸亀市猪熊弦一郎現代美術館: 丸亀市出身の猪熊弦一郎氏を記念し、駅前というユニークな立地を持つ現代美術館。猪熊氏の絵が基本で、あまりにも量が多すぎ、やや食傷する。 喫茶室の美しいつくりが、駅前マンションにより台無しになっている。丸亀市民の志を疑う、
  • Fイサム・ノグチ庭園美術館: 彫刻家のイサム・ノグチ氏の実家にある庭園美術館。この地域は石の産地で付近に石屋が多かった。予約制で開館日も少なく2000円という高額の入場料であるが、評価の 非常に高いところである。 人生(=創作活動)の最終期を石と庭園にこだわった、イサム・ノグチ。当時、『建築知事』としても知られた金子正則の計らいもあり、庵治石加工で知られる牟礼町を紹介される。1964年に石工の和泉正敏との関係が出来、1972年和泉家の敷地内にアトリエを設立する。このアトリエを米国のイサム・ノグチ庭園美術館(Noguchi Museum)の分館とし、1999年に開館した。マルと証する円形の仕事場は当時の製作時のまま保存されている。イサムが愛した瀬戸内海を見通す裏山には 小豆島から出た円形の石に、イサムの遺骨が四分の一分骨されている。(★★★『イサム・ノグチ:宿命の越境者』ドウス昌代(上)(下)講談社文庫、2003年7月(原著は2004年4月刊行):イサム・ノグチの生涯を 書簡、氏を知る人間へのインタビュー、本人の自伝用テープなどから丁寧に描きあげた労作。特に、認知を拒否した日本人詩人と 教師をしていたアメリカ人の母の間に生まれ、どちらの文化にも身内として完全には受け入れられなかった芸術家の生い立ちを父、母との関係を綿密に追うことにより描ききっている。また、米国現代芸絵術が開花した時代の雰囲気も一人の芸術家を通して生き生きと伝わってくる。年表・参考資料も充実している(2004/11/6)。)
広島県
  • 広島市立現代美術館:展示品少なくほとんど詐欺。学芸員のレベルも疑われる。
  • ひろしま美術館:広島銀行のオーナーのコレクションを基にした印象 派中心の美術館。日動画廊がゴレクションを手伝っている。所蔵品は当然ながら非常に、箱根のポーラ美術館と似通っている。
鳥取県
九州:
  • 福岡市美術館:現代アートも豊富。空間も広く、作品も大きいものが多い。1979年にオープン。
  • 福岡アジア美術館:アジア現代美術を専門とする美術館は、日本(もしかしたら世界でも?)ここだけ。1999年にオープン。福岡市美術館のアジア美術コレクションが元になっている。下川端地区の開発の際、地元デパート福岡玉屋の代わり のテナントとして発足した。天井が高く、映像を写せる個室も多く、現代美術に向いている。係員の応対もとてもよい。福岡トリエンナーレというイベントを継続的に行っている。
  • ★★石橋美術館:ブリジストンのオーナー・創業者石橋家のコレクションを展示。青木繁の逸品など見るべきものが多い。
  • F熊本県立美術館: 熊本城内という立地、建築家前川國男代表作である建物は見るべきものがある。ただ内容が(涙)。
  • 熊本市現代美術館:2002年、建設費数十億円?で中心街のビルの中に設立。アートポリスを狙いたい、福岡に対して地盤沈下の激しい熊本市の苦肉の作か?といっても公共空間としては気持ちがいいし好感が持てる。九州は 意外に多くの現代美術作家を出している。
古美術展一覧
戦後の企業および財界人の収集によるもの
  • 『現代の美術コレクター:美術館を作った人々』 田中日佐夫、日本経済新聞社、1995年、254頁:主に戦後の民間コレクターのコレクションに端をなし美術館となったものの紹介。その経営、方針などが簡潔に述べられ ておりり、美術館の成り立ちを知る好資料。
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