インド関連情報(更新:2008/12/31)
  • ★★Lizzie Collingham(2005)”CURRY: a biography"(東郷えりか訳『インドカレー伝』河出書房新社2006年):おなじみのカレー。最近本場のカレーが街中に見られるようになり、小さいころから親しんでいた”カレー”が本場のものと違うことに多くに人間が気がついてきた。カレー(というか食文化)はいくつかの文化が、いろいろな土地でぶつかって変遷してきた結果ということがまざまざと描写されている。大まかに言うと、父祖の地サマルカンドからインド平原に進入しムガール帝国を設立したパーブルに始まり、豊かなイスラム・ペルシャの食文化が、カースト的分離意識のあるヒンドゥーと交じり合い、ポルトガル・英国との交わりで発達していく。その中に、コロンブスのアメリカ発見により見出された唐辛子(それにジャガイモやトマト)や、中国のソースとの触れ合い(これはやがてケチャップやウスター・ソースとなっていく)が、この世界で親しまれている食べ物を作っていった。アングロ・インディアンをもいえるインド在住の英国人社会、英国社会におけるカレーの浸透、まさに目からうろこが多い本であった。ちなみに日本のカレーは小麦粉を混ぜルーにする英国式が、軍隊に入り、そこから伝播されたのは、よく知られているところである。レシペもついていて、お得な本。
  • (2007/2/14)岡本幸治(2006)”インド世界を読む”創成社(創成社新書8):インド専門家の著者が主に近代史以降のインドの政治・経済を、国際関係論の観点も交えてまとめた。卓見は中華思想が結局匂う中国に対し、ある原則の国際性を持つインドを評価し、アジアにおける、日本の外交的および対外的梃子とし、日印関係を位置づけるという提案である。一見の価値のある視点である。 
  • インド経済の現状:
    • (2006/11/3)★★『インドの時代:豊かさと苦悩の幕開け』中島岳志、 新潮社、2006年7月、218頁:新進気鋭のインド研究者、中島岳志氏の現代インド紹介。 主にデリー周辺の取材に基づく、経済発展によるインド社会の変化と、ヒンドゥーの影響、特にヒンドゥー・ナショナリズムとの関係を紹介。経済の発展のみ、”悠久の大地”的なインド紹介が多い中で、今日的な課題に切り込んでいるのはさすが。
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